まだまだ続きます。サンタクローチェ聖堂。今度はパッツィ家礼拝堂とサンタクローチェ美術館です。
Basilica di Santa Croce サンタクローチェ聖堂2
サンタクローチェ聖堂2
Piazza Santa Croce, 16, 50122 Firenze 月曜~土曜 9:30-17:30 日曜祝祭日 14:00-17:30 フラッシュなしであれば写真撮影可能(三脚不可)
サンタ・クローチェ教会では、聖堂の他に、パッツィ家礼拝堂、サンタクローチェ美術館を見学することが出来ます。
写真は、フィレンツェのドゥオーモのクーポラ(円蓋)を建てた建築家フィリッポ・ブルネッレスキ作のパッツィ家礼拝堂です。
1429年頃に建造が開始されたこの礼拝堂は、ブルネッレスキの死後、1470年頃に完成しました。
正面から見ると宇宙船みたいに見えませんか?
入り口のアーチ部分と、内部との違和感があるのは、内部が純粋にブルネッレスキによって設計されたものであるのに対して、入り口部分は他の建築家の手が入っている可能性があるからであるようです
写真左:天井からも採光ができるようになっています。なんとなくローマのパンテオンを思い出します。
写真右:これがピエトラセレーナと呼ばれる石です。フィレンツェの北側で採掘される石で、普通の住居にも窓の周りや、階段部分に今でも利用されています。エトルリア時代、ローマ時代にも建材として利用されていたそうですが、白の漆喰とピエトラセレーナの装飾としての組み合わせはブルネッレスキの建築様式の特徴です。
パッツィ礼拝堂の隣には、修道士達が生活をしていた建物、食堂などがあります。現在は美術館になっています。1800年代、ナポレオンによりフィレンツェの大幅な都市計画が行われた際、フィレンツェの多くの教会や古い建物が壊されました。そのときに出た貴重な建物の装飾や絵画類をサンタクローチェ教 会の食堂に運び込み、保存していたそうです。そのため、展示されている作品も、教会ゆかりのものだけではなく、街の他の教会から発見された作品も数多くあ ります。
上は、チマブーエ作磔刑図。
この作品は、もともとサンタクローチェ教会内にかかげられていたそうです。
1966年11月4日、続いていた大雨のためにアルノ河が氾濫し、大きな被害をもたらしました。このチマブーエの磔刑図も洪水の際に、有志によって担ぎ出されたものの、湿気のために残念ながら大部分が剥落してしまいました。66年の洪水の被害の象徴のような作品です。
久しぶりにゆっくりと訪れたサンタクローチェ教会、クリスチャンではない私も、訪れるたびに何だか静かな気持ちになる場所です。
このコンテンツでは、ブログ「フィレンツェ田舎生活便り2」で、私が、訪れたフィレンツェの教会や美術館について日記風に感想を綴った記事をまとめたものです。絵画作品や教会内の写真の一部はWEB上にある利用フリーの画像素材を使っています。現在は、全ての教会や美術館ではフラッシュ撮影は禁止、フラッシュなしの写真撮影も禁止している所が多くあります。今まで残ってくれた美術品に感謝しながら、これからも長く保存していけるように、鑑賞したいものですね。
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