フラ・アンジェリコの美しい受胎告知が保存されている元修道院の美術館。二階は修道士達が生活していた部屋がそのまま残されています。
Museo Nazionale di San Marco
サンマルコ国立美術館1
Piazza San Marco, Firenze 月曜~日曜 8:30-18:50
ローマに比べると、フィレンツェはとても小さな街ですが、見所は本当に尽きません。ツアーでいらっしゃると、アカデミア美術館とウフィッツィ美術館+オプションでピサというパターンが多いようですが、この二大美術館以外にもお薦めの美術館や博物館、教会は沢山あるんですよ。
午前中のみの開館ですが、サンマルコ国立美術館も、フィレンツェにいらしたら是非訪れて頂きたい場所に1つです。
ドメニコ派の修道院の一部が美術館として公開されていて、1階部分には、中庭を囲む回廊があり、二階部分は、”Cella”(チェッラ)と呼ばれる、修道士達が祈祷や読書の為に利用していた小さな房を見学することが出来ます。中世の修道院の面影が残る静かな美術館です。
もともとは1200年代シルベストリーニ派の修道院として建てられたのですが、
1439年にコジモ・ディ・メディチ(コジモ・イル・ヴェッキオ)が、シルベストリーニ派の修道僧を追い出し、ドメニコ派の修道院として基礎工事から行う大改修を始めました。
すぐ後に建設がはじまったメディチ・リッカルディ宮から程近い場所にある宗教施設として便利が良い場所にあったからなんでしょうね(強引・・・)
入って1室目は、この修道院で宗教画を描き続けた画僧Beato Angelico(ベアート・アンジェリコ)の作品が沢山展示されています。 ↑はその中でもひときわ目をひく大作、「キリスト降架」。
右奥にヴェッキオ宮殿らしき建物が描かれているのがなかなか興味深いです。色もとても綺麗で、ジョットーの流れを継ぎつつ、優雅な色使いと装飾で表現していたベアート・アンジェリコの代表作です
これはサンマルコ修道院の鐘。
1400年代半ばに、ドナテッロまたはヴェロッキオによって制作されたと言われています。
1498年にこの修道院長であったサヴォナローラが異端の罪でシニョリーア広場で処刑された際に、鐘が大きく鳴り渡ったそうです。サヴォナローラの死を嘆き悲しんだ信者達は”piagnoni”(ピアニョー二)と呼ばれ、悲しみを伝えた鐘は”piagnona”(ピアニョーナ)と呼ばれました。その後、反乱を恐れた政府はこの鐘を取り外し、一旦、サンミニアート・アルモンテというミケランジェロ広場の裏にある修道院に移動したそうです。鐘は1500年代に再び修道院に戻され、現在まで保存されています。。 梁の部分にも当時のままのメカニズムが残っていてなかなか興味深いです。
このコンテンツでは、ブログ「フィレンツェ田舎生活便り2」で、私が、訪れたフィレンツェの教会や美術館について日記風に感想を綴った記事をまとめたものです。絵画作品や教会内の写真の一部はWEB上にある利用フリーの画像素材を使っています。現在は、全ての教会や美術館ではフラッシュ撮影は禁止、フラッシュなしの写真撮影も禁止している所が多くあります。今まで残ってくれた美術品に感謝しながら、これからも長く保存していけるように、鑑賞したいものですね。
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