この広場から眺めるドゥオーモも素晴らしいです。広場には隠れた見所が幾つかあります。
Piazza Santissima Annunziata
サンティッシマアヌンツィアータ広場
Piazza Santissima Annunziata, Firenze
さて、サンティッシマ・アヌンツィアータ広場には、↑こんな噴水が2つあります。
これは、ジャンボローニャの弟子であったピエトロ・タッカ作の噴水(1629年)です。
蟹や貝、そして背中合わせで水を吹く半魚人のモチーフは、海がないフィレンツェではちょっと異色なのですが、それには訳があります。
この噴水はもともと、フェルディナンド1世にゆかりのある港町リヴォルノの防波堤に設置される為に作られました。
所が、1629年に噴水が完成すると、当時のトスカーナ大公フェルディナンド2世(フェルディナンド1世の孫)は、余りの出来の良さに、リヴォルノに送るのが惜しくなり、計画を取りやめて、フィレンツェのサンティッシマ・アヌンツィアータ広場に設置してしまったのでした。
真四角で、真ん中には大きな騎馬像がある荘厳な広場の中で、この半魚人たちは愛嬌を振りまいているように見えます(笑)。
2匹が背中合わせになっていてお互いのタコの足のような部分が絡まっているんですよ。
前から見ると←こんな感じ。人魚のようでいて、でも足は二つに分かれているっていう図は、今年の夏に訪れたプーリア州のオートラントのカテ ドラルでも床のモザイクで見かけました。古代からのシンボルなのかもしれませんね。人魚の尾は1つだけだっていうのは今の時代の先入観なのかも。人間の想 像力って広いなあ。
あちこちに海のモチーフの装飾が施されています。蟹もついてる~。苔が生えていて、本物っぽいです。
噴水の下の受け皿の部分も海の怪物なんですよ。顔がついています
再び、半魚人(←しつこい・笑)。 毎回見るたびに、「エイリアン」で有名なアーチスト、ギーガーっぽいなあと思ってしまいます。
マニエリズムの時代、自然科学の分野が大きく進歩した時代だから、動物や植物の形状を利用して想像上の不思議な生き物を形にするということが頻繁に行われていたんでしょうね。
私は、何だか愛嬌があってこの噴水が大好きなんです。昔、この噴水は”Caciucco”(カチュッコ=リヴォルノ風の魚のスープ)という愛称で呼ばれていたそうです。美味しい出汁が出そうですね(笑)。
この可愛い姿の半魚人君達は、昔からフィレンツェ人から愛されてきたんだろうなあって思います。
このコンテンツでは、ブログ「フィレンツェ田舎生活便り2」で、私が、訪れたフィレンツェの教会や美術館について日記風に感想を綴った記事をまとめたものです。絵画作品や教会内の写真の一部はWEB上にある利用フリーの画像素材を使っています。現在は、全ての教会や美術館ではフラッシュ撮影は禁止、フラッシュなしの写真撮影も禁止している所が多くあります。今まで残ってくれた美術品に感謝しながら、これからも長く保存していけるように、鑑賞したいものですね。
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